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ビットコイン決済は何故いまいち普及しないのか? 利用者と導入店の両方の立場から考察

本日、ブルームバーグからネット通販業者のビットコイン決済の状況について報道がありましたが、ビックカメラの本格的な導入などでわいている日本人には結構衝撃的な内容なんじゃないのかと思います。

インターネット通販業界の専門誌インターネット・リテーラーが調査する業界上位500社のうちビットコインを採用しているのはわずか3社にすぎず、昨年の5社から減った。

BTCが強そうな分野であるEコマースの世界ですら3/500という圧倒的に低い採用率かつ今年これだけ話題になり報道が増えているにもかかわらず昨年から減っています。

 

以前、Amazonが何故ビットコイン決済を導入しないのかを議論しましたが今回はもっと広い視点からこのビットコインの決済システムがなぜあまり普及しないのかを考察したいと思います。電子マネーやクレジットカードやペイパルなどのペイメントシステムなど十分便利な代替手段があることは言うまでもありませんがそれ以外についても今回は考察してみたいと思います。

 

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利用者側のメリット・デメリット

ここではわかりやすく日本においての利用を例に外国人の立場と日本人の立場で考えてみましょう。

 

外国人(旅行者)が利用する場合

●メリット

 為替手数料との比較からBTCのほうが安上がりになる可能性がある。ただし、現状のBTCは価格変動がとても大きいので為替手数料を十分に吸収してしまうぐらい下落する可能性があるので必ずしも安上がりになりません。中国などの資本管理の厳しい国の国民は、もしかしたら決められている以上に多く海外で消費をしたい場合BTCを使うという手段があるかもしれませんがこれも非常に少数だと思われます。

 

●デメリット

日本円を持つ場合と比べてBTCの場合使用できるところ大幅に制限されてしまいます。東京であればまだ使える場所を少しは見つけることができるでしょうが何処でも使える日本円と比べると現状は、当然非常に使い勝手が悪いと思われます。

 

メリットとデメリットを考えると旅行者の心理を考えればデメリットの方が大きいと思います。せっかくの旅行そんなにけちけちして行動を縛ることはないんじゃないでしょうか。

 

日本人(居住者)が利用する場合

個人的には、日本で本格的に普及するイメージがわきません。Suicaなどの交通系電子マネーが広く普及していることやクレジットカードでもスーパーやコンビニであれば一瞬で決済することができます。クレジットカードを持っていればペイパルなどを使ってウェブ上で資金のやり取りもできます。Suicaは利用者はコストなしで完全に日本円と同じ感覚で使えるという利点がありますし、クレジットカードも分割にさえしなければ追加コストは基本的にかかりません。十分便利なキャッシュレスの決済手段が十分に普及していることを考えると価格変動のあるBTCをあえて使う理由は、ないと思います。

BTCであえて決済する現実的な理由は私が考えた限り以下の4つになるかと思います。

 

 商品を日本円で決済できずBTCで決済できる

② 利用者が日本円をほとんど所有しておらずBTCしか持っていない

③ BTCで決済すると得する(店舗のキャンペーンなど)

④ 話題になっているので実験、SNSや話のネタのために使う

 

こうしてみてみると①みたいな商品はないですし、②みたいな人はほとんどいないでしょう。現実的には、③、④での利用がほとんどじゃないでしょうか。ただし、継続的な利用は見込みにくい気がします。

 

店舗側のとる価格設定

今度は導入店舗の立場を考えてみましょう。決済時の価格設定方法は以下の二つの方法かその組み合わせが主なものになりそうです。

 

  • その時の円建ての価格と連動させた時価連動方式(現状の主流)
  • 価格変動を考慮しバッファをとった固定価格で販売する外貨両替型

 

 時価連動方式であれば円建てで取引するのと経済的に変わらずBTCであえて決済する必要性が顧客側にはありません。BTCで払う場合は、Amazonの記事でも紹介したBTCの換金売りフローが発生するためその分のマーケットインパクトコストが消費者側に転嫁される可能性があります。

一方で、クレジットカードで払う場合は、利用者はポイントがたまったりクレジットヒストリーが良くなったり無利子で短期的な借金ができるという利点があります。

 

外貨両替型方式であれば、日本円で払った方が普通に考えれば得になることが多いと思われるのでBTCで購入するインセンティブは生まれないと思います。ただし、相場激しく動いて店舗側が見込んだバッファを超えた水準になったときは利用者は円で決済するよりも有利になるので使うインセンティブが生まれますが同時に店舗側は損をすることになるのでこの方式はあまり使われることはないのだと思います。

 

ビットコインで決済できる店が増えるという話を聞きますが実際に継続して利用する人は少ないのではないでしょうか。便利なものは勝手に広まっていくが私の考えですが、ビットコイン決済は導入が簡単かつ登場から何年もたっているのにあまり広まっていません。これはやはり決済に向いていないことの証左だと思います。今回のブルームバーグの記事や仮想通貨の王様ビットコイン、あなたはサンドイッチ購入に使いますか - Bloombergにある通りだと思います。

 

 

解説だけでなくトレードにつながるインプリケーションのある記事をこれからも書いていきたいと思います。モチベーション維持になりますので参考になった方は投げBTCをお願いします。意見や感想、今後書いて欲しいテーマなどもお待ちしております。

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