ビットコイン・仮想通貨の投資アイデア・ストラテジー

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Amazonは何故ビットコイン決済を導入しないのか ビットコイン決済の弱点を考える

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Amazonは、下記サイトによると時価総額が17年5月末時点でアップル、アルファベット(google)、マイクロソフトに次いで世界第4位の皆さんご存知の超巨大企業です。ちなみに5位はフェイスブック。トップ5は全部米国のIT関連企業ですね。

世界時価総額ランキング2017 ― World Stock Market Capitalization Ranking 2017

 

キンドルAmazonプライムによるビデオ、音楽配信などもともとやっていたオンライン本屋さんから多角化していろいろな分野に積極的に手を出しています。ドローンを使った配達なども考えているようですね。最近だとダッシュボタンなど面白い取り組みもしています。

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ビットコインが一般に知られてから何年もたつのにAIなどの技術に対する感応度が高い先進的なこの企業がなぜビットコインの決済を導入しないのでしょうか。何かしら導入しない理由があるはずです今回はそれを考察してみたいと思います。

 

■ヘッジ取引のコストが高くつく可能性

わかりやすさを重視して日本のAmazonを例にビットコインで買い物が成立した場合のAmazonの利益について考えてみましょう。儲けは輸送費や人件費などを除いて単純化すれば下の式になりますね。

 

利益=販売時に入ってくるBTC-商品の仕入れ価格(円建て)

 

ここで問題なのは仕入れが円建てで行われているのに対して販売時に入ってい来るのがBTCで通貨が違うためどちらかに換算しないと利益を計算できません。これは日本円で仕入れて米ドルなどで販売する輸出企業と同じ構造です。輸出企業は決算を日本円でするため通常は為替のヘッジ取引を行います。為替の変動によって収益がぶれるのを嫌がるからです。

日本のAmazonはおそらく日本円で決算をするでしょうから円建てに直すためBTCを売って円に換えるヘッジ取引を行うはずです。現実の輸出企業の為替ヘッジでは手間なのであまり行われませんが理想的なのは取引の都度日本円に換えるべきです。そうすれば相場の変動による収益のブレはありません。BTCでは即取引所につないで売ればよいだけなので技術的には可能なはずです。

ただし、マーケットインパクトによるコストが馬鹿にならない気がします。取引をされている方ならご存知の通り現状のBTC市場は個人でもある程度相場を動かせてしまうぐらい市場に厚みがありません。米国のSECは相場操縦懸念を理由の一つにETFを断っています。そんな市場でヘッジ取引を行うとどうしてもコストがかかってしまうことが想定されます。そのコストを客に転嫁することもできると思いますがそうするとBTCで決済する方がクレジットカードなどほかの決済手段と比べて高くつく可能性があります。結局そうすると経済合理性上BTC決済を導入してもそれで買う人たちがほとんどいないことが想定され導入してないのではないでしょうか。Bloombergの記事によれば、決済で上手くいっているところは少なくメディアに取り上げられる宣伝効果として期待ができるぐらいのようです。

米タイムやデルはビットコイン採用を中止したと発表。ウェブサイトのコンテンツ管理システムを手掛けるワードプレスも15年に受け入れをストップしたが、その際に創業者は利用が「ほとんどゼロに等しい」状況を挙げたほか、そもそもの開始が商業上の理由によるものではなかったと説明した。

ビットコインに詳しいニューヨーク大学スターン経営大学院のデービッド・ヤーマック教授は、「しばらくすると受け入れ態勢を整えるコストに見合わないと気付き、一通りの注目を集めたら、採用撤回の決定を行うのは十分あり得る」と話した。

余談

創業者のジョフ・ベゾスについて調べていたら経歴がどこかの取引所の社長さんと似てるなと思っただけ。

例によってwikipediaより引用

ジェフ・ベゾス - Wikipedia

大学卒業後ウォールストリートの金融機関のIT部門でトレーディング・システムの構築に従事。1990年にはヘッジファンド、D. E. Shaw & Co. に移籍し、1992年シニア・バイス・プレジデントへ昇進する。しかし、1994年春に World Wide Web の利用率が増加していることに気付き、退社し妻とともにワシントン州シアトルに移住。1994年までに WWW は政府機関や学術研究者にとどまらず、次第に一般の人々にも知れ渡っていった。ベゾスには eコマース事業が将来的に大きなビジネスチャンスになるであろうという先見の明があった。

 

解説だけでなくトレードにつながるインプリケーションのある記事をこれからも書いていきたいと思います。モチベーション維持になりますので参考になった方は投げBTCをお願いします。意見や感想、今後書いて欲しいテーマなどもお待ちしております。

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